忘れられた革命児「ブラックベリー」
今ではiPhoneやAndroidが市場を席巻していますが、かつてビジネスパーソンの必須アイテムとして一世を風靡したのがBlackBerry(ブラックベリー)でした。2023年に公開された映画「ブラックベリー」は、カナダの小さな会社が世界を変えるデバイスを生み出し、そして没落…技術革新と経営戦略の衝突、そしてアップルの台頭による崩壊がリアルに描かれています。
創業者マイク・ラザリディス(ジェイ・バルチェル)と、ビジネス戦略家ジム・バルシリー(グレン・ハウアートン)彼らの功績はかなり大きいとわかりますが、もし競争相手がAppleではなく、より保守的な企業だったら、ブラックベリーの市場シェアは長く続いたかもしれません。
原題:BlackBerry
監督:マット・ジョンソン
主演:ジェイ・バルチェル、グレン・ハウアートン
公開年:2023年
ジャンル:伝記、ドラマ
監督:マット・ジョンソン
主演:ジェイ・バルチェル、グレン・ハウアートン
公開年:2023年
ジャンル:伝記、ドラマ
スマートフォンブラックベリーとは?
ブラックベリーは、2000年代初頭に物理キーボードを搭載したスマートフォンとして登場し、ビジネスパーソンに絶大な人気を誇りました。特にアメリカ市場では圧倒的なシェアを持っていましたが、日本ではあまり普及しませんでしたが、メール機能の使いやすさと高いセキュリティが評価され、オバマ元大統領をはじめとする政治家や経営者に愛用されました。
ブラックベリーのあらすじ
1990年代後半のカナダ、オンタリオ州ウォータールーからスタート、マイク・ラザリディスという技術の天才と、ジム・バルシリーというビジネスマンの出会いが物語の始まりです。
ラザリディスは「リサーチ・イン・モーション(RIM)」という小さな会社を経営し、携帯電話にEメール機能を搭載するという革新的なアイデアを持っていました。一方、野心的なビジネスマンであるバルシリーは、このアイデアに大きな可能性を見出し、RIMに投資して共同CEOとなります。
二人の異なる才能が融合したことで、ブラックベリーは誕生しました。QWERTYキーボードを搭載した使いやすいデザイン、セキュアなメール機能、そして「BBM(BlackBerry Messenger)」という革新的なメッセージングサービスが、世界中のビジネスパーソンを魅了したのです。
今ではメールが当たり前になり、なんでもできるスマートフォンですが、昔はメール一つ送るだけでとてつもない学習と試行錯誤が必要でした
アップルとの競争、タッチパネルを採用しておけば…
中盤で、ブラックベリーの急速な成長と、それに伴う企業文化の変化が描かれます。かつての和気あいあいとしたガレージカンパニーは、グローバル企業へと変貌。しかし成功の絶頂期に、アップルがiPhoneを発表します。
タッチスクリーンを軽視し、自社の成功体験に固執したRIMは、急速に変化する市場に対応できず、シェアを失っていきます。成功と失敗の紙一重だと改めて教えてくれます。
「クリック音がブラックベリーらしい」
たったこれだけにこだわっただけですが、運命の分かれ目でしたね。
2007年にiPhoneが登場し、タッチスクリーンを主流とするスマートフォンの流れが決定的に変わりました。その後、Android勢の台頭もあり、ブラックベリーは急速にシェアを失い、最終的に市場から完全に姿を消しました。
マイク・ラザリディス と スティーブ・ジョブズ
ブラックベリーの創業者マイク・ラザリディス、アップルの創業者スティーブ・ジョブズ二人は似ているようでかなり経営者としての性質が異なります。
マイク・ラザリディスは技術者でありながら、相棒のジム・バルシリーと一緒に経営もこなす万能経営者です。
スティーブ・ジョブズはデザイナーとして着眼点は素晴らしいですが、独善的に会社を経営する人物でした。
ブラックベリーのタッチパネルはマイク・ラザリディスのこだわりでしたが、そこを共同経営者ジム・バルシリーが説得出来なかったのが敗因と思います。技術者視点とデザイナー視点の違いや、一時の成功の酔ってしまったのも大きいはずです。
さらに、ジョブズと見てる視点が違ったのでしょう。電話の開発会社で終わるのか、時価総額地球でNo1の会社にするのか?これが、同じ時代にスティーブ・ジョブズがいたツライところと言えそうです。
技術の素晴らしさだけでは市場では生き残れないこと、変化に適応することの重要性、今日のテック業界でも、かつてのブラックベリーのような状況は常に起こりそうです。メタ、アマゾン、グーグル、アップルといった巨大テック企業も、常に新たな挑戦者たちの脅威にさらされています。
PS: 日本ではブラックベリーは全く流行らなかったので知らなかったですが、カナダの会社だったと初めて知りました、テクノロジーはアメリカのシリコンバレーが舞台になることが多いですが、実はカナダもテクノロジーイノベーションの重要な拠点のようです。